そうめん

 今日の空は青く、天井が抜けた感じで、眺めただけでも心が晴れます。湿度も一転、外に出て、散歩でもしたら気持ちよさそうです。

 さてさて、そんな感じで窓の外を眺めてリラックスしたら、何となく素麺が美味しそうに頭の中に浮かんできました。昔からの素麺好きのような書き出しですが、実は、素麺を食べたいと思うようになったのはほんの最近、昨年の夏ごろからです。子供の頃、豚の脂身大好き少年だった私は、人びとが素麺を「おいしいね!美味しいね!」と食べるのを不思議に思っていました。素麺に気が向くようになったのは、年を重ねて、素麺のあの見た目の風流さも分かるようになったからでしょうか(決してオヤジになったからではない、と思いたい・・・)。

 幼少期に思いを馳せていたら、白い細い麺を冷麦と表現している人がいることも思い出しました。少し前までほとんど素麺に興味を示さなかったので、ほとんど気にしてなかったのですが、調べてみると面白いですね。冷麦と素麺と同じようなものですが、実は、太さで分かれているそうです。また、区別は製造者それぞれの感覚かと思いきや、なんと日本農林規格JAS規格)で定義されていました。しかもJAS規格には饂飩もきし麺も記載されています。パスタの本場であるイタリア、古くから麺文化をもつ中国、健康的なフォーで有名なベトナムなど、数多く麺を製造・消費する国はありますが、規格化されているのは日本ぐらいではないでしょうか。他国のことは調べていませんが、いろいろな意味で、恐るべし日本です。

 素麺のイメージがまた浮かんできました。大きなガラスの器でタップリの氷水に浸る細い麺。薬味はシンプル、葱、生姜、それに茗荷。麺つゆを手に取り、薬味を入れて準備完了。器に箸を伸ばしてすくい、つゆにつけて勢いよくすする。美味しいですね~。そうこうして麺が減ってくると、麺をすくうときに残っていた氷がガラスの器の縁に当たって、カラカラッと音を立てだす。何ともいい感じです。そして、最後の一麺まですくって、あー満足。ご馳走さまでした。