抗がん剤の影響

 今日の天候は晴れ。梅雨の合間の日差しが心地よいです。

 「がん治療を受けた青年は成人してからも問題を抱え得る」というロイター通信の記事を読みました。それはある医学論文に基づく記事で、ざっくり言うと、10歳代でがんに罹患したが治療により生存している人は、将来、うつ病や不安障害に加え、記憶や作業効率に問題がおこる可能性がが高い、という内容でした。評価項目には、社会性に関する項目もあり、進学率が低い、正社員に就けない、さらに結婚率が低い、自立した生活ができにくい、という結果がでていました。

 記事の中では、10歳代患者のがんは生物学的に成人のものとは異なるので、より積極的に治療する傾向にある(のが要因の一つだろう) という研究者のコメントが引用されていました。それに関連してググってみると、日本のある医師が「(ある特異な小児がんにおいては)早期に抗がん剤治療をし、転移がほとんど見られない場合、10人中6~7人は10年~20年延命する。しかし彼らは延命はするが、繰り返される抗がん剤治療の影響で、後期傷害(late effect)といわれる抗がん剤の副作用がずっと残り、その多くが苦しみながらも生きながらえている」といった趣旨のことを述べていました。

 以前、がん全体の内、血液のがん、リンパ性の癌と一部の特殊な癌は治ると聞いていたので、そういった患者さんは希望が持ててよかっただろうと思っていましたが、実は癌から生還したとしても困難が待ち受けているという現実をしり、「えっそうなの!」と驚くばかりでした。正確に言えば、健康である私には軽々しく言葉を発せなかった、というのが正直なところですが。(注:記事の中に、がんの種類の記載はありません。)

 私ががんの記事に目が留まるようになったのはごく最近であり、私自身や身内が心配などということは全くないのですが、機会があれば少しは掘り下げるようになりました。とはいえ、専門家でないので当然わからないことだらけです。現実問題としてがんが解明されていないので、情報が錯綜して分かりにくくなっているかもしれません。そういう状況を差し置いても、情報化社会といわれる昨今、がんに関する情報が氾濫するのはやむを得ないでしょう。情報の海に溺れぬよう、その時々研鑽すべし、と改めて思った次第です。