ミトコンドリア病研究に関する記事に思ふ

 台風は中国地方を抜け日本海を北東に移動中です、朝から小雨がぱらついましたが、晴れ間が戻ってきました。

 ミトコンドリア病という疾患があることを海外のニュースサイト(AFP日本語版/他)で知りました。この病気は、日本では厚生労働省特定疾患に指定されていて、推定患者数は数百人で、パーキンソン病アルツハイマー病、糖尿病および難聴などの患者のうち、ミトコンドリア異常が原因とみられる患者を含めると数万人に上るといいます。

 この疾患は、細胞内でエネルギーを作り出すミトコンドリアに関する遺伝子の異常が原因であるとされています。しかし、その発症機構は解明されておらず、効果的な治療法は現在無いそうです。

 そんな中、米国研究チームが、1)患者から採取した皮膚細胞のミトコンドリアから有害なミトコンドリアを取り除く手法、および2)羊のドリーで有名なクローン技術を用いた手法、の両方を通して胚性幹細胞を作り出した、と伝えていました。つまり、最近話題の再生医療に繋がったということです。だだし、記事では「治療の夜明けだ」という一方で「まだまだ先は長い」という趣旨のことも記載されていました。

 素晴らしい研究に関する記事ですが、それとは別にある思いが浮かびました。それは、この記事を含めこの種の医学研究や疾病に関する事柄は、欧米ではある程度ニュースにもなっているようですが、日本ではどうも注目度が低いように思えることです。筋萎縮性側索硬化症(ALS)という疾患は、例の米国発アイス・バケツ・チャレンジで知名度が上がり、関連支援団体では寄付金が一気に増えたそうです。それはそれで良いことですが、逆にそんなキャンペーンがなければ注目されていないということの証でもありまた。また、他にたくさんの指定難病がありますが、どういう状況なのでしょうか。かくいう私も結局はそのような関心度の低い一人ですので、偉そうなことは言えません。問題提起はしたものの、知識も知恵も財もなく、ただただ現状から何とか少しでも良い方向に進んでほしいなぁ、と思うばかりです。