遺伝子組み換え食品に関するある調査

 本日の天気も相変わらずの雨です。しとしとと降る雨の音は時に心地よく嫌いではありませんが、こう続くと多少なりとも気が滅入ります。

 さて、ネットでニュースを見ていて「食品に関する米世論調査」(ピュー研究所)という記事が目に留まりました。内容は遺伝子組み換え食品(GMF)に関する理解や対応にてついてのアンケート結果です。まず面白いなと思ったのは調査対象者の分類でした。日本だと、性別・年代別ぐらいで比較するところ、さすがピュー研究所、米国社会の多様性ということもあるでしょうが、他の観点からも分析していました。報告では、まずは成人全般による分析、次に性別、ここで人種別(白人/黒人/ヒスパニック)がきて、年代別の順に記載されています。続けて、学歴別(大学院/大学/短大/高卒以下や文系/理系)および科学的知識の浅深、さらに共和党/民主党、保守/革新/中道まで区分けされています。

 いくつもの細かい分析がなされていますが、「へーそうなんだ」思ったのが、高学歴なほどGMFは安全だと思っていることでした。私個人としては高学歴な人ほど知識が豊富で、またGMF推進者らの「大丈夫」というだけの言葉に惑わされず、そもそも遺伝子組み換え作物(GMO)の解明などなされていないので、懐疑心が増すのでではないかと思っていたのですが、違っていたようです。正しくは、知識が少ないからこそ、何が何だかわからず不安になって信用できない、あるいは無意識の記憶それとも直観から何かおかしい、と判断したのでしょうか(ちょっとバイアスがかかっているかもしれませんが)。

 GMFそのものに対してざっくり言えば、およそ6割が「安全でない」と回答していました。またこの調査を引用したある記事(“BUSINESS INSIDER”)では、「研究者や専門家はGMCの健康への影響を正確に理解していると言えるか?」の問いに対し、回答は「いいえ」が圧倒的に多かったということに焦点を当てていました(注:グループ間に差はほとんど無く約7割がそのように回答)。

 米国はGMOの輸出入でEUと侃侃諤諤の遣り取りをしており、GMO/GMF推進大国であると思って(勝手に思い込んで) いて、米国民もある程度は受け入れているだろうと推察していました。しかし一方で、最近の米国のヘルス・コンシャスからすると、本当のところ米国民はどう考えているのだろうと思い巡らしていたのですが、この調査結果をみて、「やっぱりそうだよな!」と納得したところです。とはいえ記事の論調を離れると、米国民の6割がGMOは安全でないと思っている、言い換えるとGMO/GMFは安全であると考えている米国民が4割もいるという事実に、私個人としては驚きを感じたのですが・・・。日本はどうなのでしょうか。