半夏生

 朝からしとしと雨降りです。

 雑節では本日7月2日は「半夏生」といい、半夏(烏柄杓)という毒草が生え、多湿で不純な頃とされているそうです。

 農家さんたちの間ではこの日までに田植えを済ませるという風習があり、このとき関西では豊作を祈ってタコを食べたそうです。「稲の根がタコの足のように四方八方と根付きますように」「稲穂がタコの足(吸盤)のように立派に実りますように」という願いがこめられているとのこと。また今では栄養学的に、タコにはアミノ酸の一種であるタウリンが豊富に含まれていて、田植えを終えて疲れた体を癒してくれ、実利もかなっていたといえます。こういう昔からの風習には、その表現から眉唾物に思いえることでも、実は遠くで何かに繋がっており何らかの恩恵を得ることがあって、なかなか面白いです。

 ところで、昨夕スーパーに行ったら、タコが半額なのにたくさん売れ残っていました。そとのときは、バイヤーさんが市場でたまたま安かったりして単に見誤ったのかなと思ったのですが、実は背景に「半夏生」もあったのではなかろうかと今になって思います。実はこの地は関東で、タコ云々の風習は無かったはずにもかかわらずです。つまり、関西の恵方巻の習慣が最近コンビニの戦略をきっかけに全国に広まったように、誰かが思いついた(仕掛けた?)のかもしれないと考えたのでした。だだ、その業界に無縁の私なので全くの想像ですがね。